入居時の同意
ほとんどの場合、入居時に求められるのは、身元引受人の同意です。
この身元引受人の同意にはどのような性質があるのでしょうか。考えていきましょう。
 
身元引受人がいるということ自体が必要
施設側から考えてみると、身元引受人は必ず必要ということになります。
例えば、残置物をどうするのか。退去時に荷物を受け取る人がいなければ、置きっぱなしになってしまうわけですし、そうなると次のご入居が遅れてしまいます。
これは施設としても困るわけです。
また、施設側が身元引受人になればいいじゃないかという考えもあるかもしれませんが、これは妥当ではありません。
施設側が仮に身元引受人になってしまうと、身元引受人として本人の代理を行うこともあるでしょうし、他方で種々の介護サービスを提供しなければならないことで、矛盾が生じてしまうのです。

いわゆる利益相反となってしまいます。
では利益相反とは何か。下記の図のようになります。

このように、施設が身元引受人を行うと、施設側が自分の利益を追求する結果、
適切なサービスを期待できないという問題が生じます。
そこで、第三者が身元引受人を担う意味があります。
連帯保証人としての意義
連帯保証人としての意義もございます。
これは普通のアパートでも見られるように、施設の利用料に対する人的担保を要しているからです。
生活保護の方の費用で、連帯保証ができるのかという問題がございますが、
この点については身元引受人を担う法人と施設側との提携によって、解決できます。

例えば、生活保護の方については、施設利用料が滞納された場合は、その滞納額は二カ月分に限る等、
なんらかの制約を加えれば可能です。
そもそも、施設側としては、利用者が入居することによって、少なくとも家賃や管理費、食費については受給額の中から支払いが保障されておりますし、介護保険事業についても同様に保障されておりますので、生活保護の方には入居していただいたほうが売り上げがあがるのです。

したがって、施設側としては、生活保護受給者の連帯保証人としての側面はそれほど期待しているところではございません。
死後の対応について
身元引受人にもう一つ求められていることは、死後の対応です。
利用者様はご高齢の方も多く、施設で亡くなりになることも多いのですが、
そのとき施設側としては葬式は誰が行うのか、そこに置いてある遺品はどうなるのかというところが気になります。
そういったもろもろの対応を行うという点で、身元引受人の存在は不可欠なものになっているのです。


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